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雑感

新型コロナウィルスという全く新たな脅威によって、大きく変化をせざるを得なくなった。元々、在宅勤務やリモートワークの推進派であったのだが、それを強制されるのとはわけが違う。ビデオ会議という本質的になにも変わらないものがリモートワークであるかのようになってしまった。

そもそも適切な情報共有と、進捗管理が重要なものが、そこではないものが押し寄せてしまった。

確かに、以前にオフィスコストを削減するためにリモートワークを検討した時には、向き不向きがあるという議論で紛糾し、実際に実現することはなく、あくまで補助的な手段に留まっていた。なので、本質的にメスを入れることはできなかった。

さて、コロナが過ぎ去った(本当に過ぎ去ったかどうかはわからないが)後にやってきたのが、chatGPTだ。生成AIと総称されるが、LLMを活用した対話型AIの登場である。これは、本質的に改善していなかった情報管理を直撃した。

それぞれが、それぞれのニーズによって chatGPTを活用することはできる。しかし、これはたぶん上手に使える人とそうでない人との差をどんどん広げることになる。以前からGoogle検索にしても、その活用の上手下手があったが、生成AIに関してはさらにその差は大きくなるだろう。だから、個人の能力に依存するのではなく、標準化された情報管理が重要であるが、それに行きついている日本企業は少ない。

営業成績や評価が属人性の中で行われていることが、弊害となり、情報共有が進みにくいという企業風土を持つ会社は少なくない。CRMを導入しても、CRMにはうまくいった案件だけ入力して、そうでないものは入力しないと笑っている社長はどうしたものか?

AIは、0からなにかを生み出すことはできない。あくまでデータを分析し、膨大な学習データとの比較で回答をするだけだ。間違ったデータ、不十分なデータから、正しい回答は得られない。笑っている場合じゃない。

それをシステマティックに行うためには、そういうツールを活用し、あらゆる情報をそこに集約し、AIをアシスタントとして活用すべきだ。

AIを含めたこうしたツールを活用するには、金がかかる。これから、これを使えるものとそうじゃないものとの間で差がついていくだろう。

もちろん、クリエイティブな個人はあまり影響は受けないが、そうでない場合(一定以上の規模の企業では普通だろう)には、大きな差が付くリスクがある。むしろクリエイティブな個人はAIをアシスタントにすることは容易だろう。

これからの数年で大きな変革が起こることは想像に難くない。